第2章 競争下の企業と産業

前半部は添付ファイルを参照

産業均衡

産業均衡が考察対象とする期間は長期である。 5年以上のタイムスパンをとると、市場からの撤退やそれへの参入がおこる。特に、新たに市場の開拓や大きな景気変動があるときには、これらが頻繁に観測される。

長期では、内生変数は企業の産出量と企業数からなる。そして産業均衡では各企業の産出量と産業内の企業数が同時に決定される。均衡成立のための2つの条件は次のものである。 1つは産業内の各企業の利潤を最大とする条件、 価格=長期限界費用:p=MC  (1) である。この式は長期の主体的均衡条件であり、利潤最大化のための条件の式と同じである。これによって各企業の生産量が決められる。残る条件は、産業内の企業利潤がゼロという条件である。もし産業内の企業が正の利潤を稼ぐことができるならば、新たな企業が産業に参入してくる。これによって市場価格が低下し、既存企業の利潤は以前に比べ、減少する。逆に利潤が負であるならば、退出が起こり、企業数が減少する。そして価格が上昇し、各企業の負の利潤が正の水準に近づいてゆく。参入・退出の動きが各企業の利潤をゼロの水準に近づけ、最終的にその利潤がゼロになるときにその動きが停止する。これは、 π=pq−c (q)=q(p−AC )=0 (2) で表される。つまり、p=minAC が均衡成立のための産業均衡条件である。(1)と(2)の2つの条件式が同時に満たされるときに、産業では均衡が成立し、企業の参入・退出の動きが止まる。このとき産業内の企業数と産業の均衡産出量が決まり、産業均衡 E=(p*,Q*= )が成立する。n*は産業内の均衡企業数の大きさを示す。利潤がゼロとなるのは価格と平均費用が等しくなるときである。

・企業の失敗 競争市場では効率的な資源配分が達成されるという特性がその最大の利点である。そして完全競争が成立する世界では政府が経済に介入することはむしろ効率的資源配分を歪めることになる。 効率的資源配分が達成されるためには、いくつかの条件が満たされなければならない。

それは、 (1)市場が(完全)競争的である、 (2)すべての財・サービスに対して市場が存在する、 (3)外部効果が存在しない、 (4)収穫逓増および選好の非凸性が存在しない、 (5)不確実性またはリスク(情報の不完全性)が存在しない、 ことである。これらの条件の1つでも欠けるならば、市場の資源配分機能が働かないか、またはたとえ働いたとしても厚生を最大にする資源配分は達成されない。市場の機能不全または非効率な資源配分の問題が生じるときに、市場の失敗が起こるという。この原因としては、上記の条件にほぼ対応して、 (1)不完全競争、(2)外部効果、(3)収穫逓増または選好の非凸性、(4)公共財、 (5)取引費用、(6)不確実性が挙げられる。

コメント等

  • 関係ないページにアップされているファイルがあったので、こっちにもアップしておきました。(5/6 鈴木)
  • 数式を書くときには上付・下付も使ってほしいな。(5/6 鈴木)
  • ちゃんと指定した場所に書くように。(5/16 鈴木)
  • 出てきた専門用語の意味はちゃんと復習しておこうね。(5/16 鈴木)

添付ファイル: fileゼミ.doc 320件 [詳細]

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2011-11-11 (金) 16:23:44 (4543d)

yVoC[UNLIMIT1~] ECir|C Yahoo yV LINEf[^[z500~`I


z[y[W NWbgJ[h COiq O~yz COsI COze