ここでは市場での価格の決まり方を見ていく。
cf. 独占、寡占(かせん)、独占競争的
基本的な経済学の理論では完全競争市場を取り扱う。
市場における買い手や売り手の行動を「需要」や「供給」という言葉で表現している。
需要や供給はいくつもの要因によって決定されるが、当該財の価格に注目することが多い。
需要曲線や供給曲線を描くときには、当該財の価格以外の要因は変化しないものとしている。これを「他の条件を一定として(ceteris paribus)」という言葉で表現する。
「他の条件」って何?
他の条件が変化した場合には、需要曲線・供給曲線はシフトすることになる。
市場経済ではある企業がコーヒーを作り、ある企業がパンを作り、労働者は労働力を提供し、・・・というように、財の交換(間に貨幣が介在しているが)が行われている。なぜ交換が行われるのか、交換する場合に何を持ち寄れば(生産すれば)よいのだろうか、なぜ自給自足しないのだろうか。
比較優位さえあれば、交換による利益が存在する。また、1人の経済主体が全ての財に比較優位を持つことはない。
例 クルーソーとフライデーの2人が生活するために魚やココナッツをとっている。2人は1時間に以下の数量だけとることができる。
魚 | ココナッツ | |
クルーソー | 1匹 | 10個 |
フライデー | 2匹 | 30個 |
それぞれが自分で食べる分をとった(つまり、自給自足してみる)とすると、1時間で例えば
クルーソー:ココナッツ10個 フライデー:魚1匹、ココナッツ15個
のようになる。ここでクルーソーが魚を捕ることに専念し、フライデーがココナッツを取ることに専念すると、1時間では
クルーソー:魚1匹 フライデー:ココナッツ30個
だけとれる。魚1匹とココナッツ10個を交換してみると
クルーソー:ココナッツ10個 フライデー:魚1匹、ココナッツ15個+ココナッツ5個
となり、自給自足の時より2人でココナッツ5個余計に消費できる。
この例では(ココナッツの量÷魚の量)(これで魚1匹を捕る間に収穫可能なココナッツの量がわかる)が
クルーソー:10÷1=10 フライデー:30÷2=15
なので、フライデーはココナッツをとることに比較優位を持っている。逆に、(魚の量÷ココナッツの量)を考えると、クルーソーが魚を捕ることに比較優位を持っていることがわかる。