産業連関分析について

産業連関分析とは

 国全体やある地域の経済における産業間の相互依存状況を見る分析手法。公共投資の与える経済効果などを調べるのに用いられる。

産業連関表とその見方

産業連関表

 日本では5年ごと(作成するのは大変なので)に国全体の産業連関表が作成されており、

に置いてある。平成12年度32部門表 http://www.stat.go.jp/data/io/2000/zuhyou/sec032.xls を開いてみると、その中の「生産者価格評価表」が最初に表示される。これが通常「産業連関表」と呼ばれるものである。

 この表を縦(列)方向に見てみる。例えばC5セルには「農林水産業」と書いてあって、その下に数値が続いている。これらの数字は農林水産業での生産に際して、どの部門からどれだけの投入が行われたか(かかった費用)を表す。この表からわかるのは、農林水産業での生産には農林水産業から1兆5585億円、鉱業から2億円、・・・の投入が行われ合計14兆3697億円(C46セル)だけ投入されたことを示している。

次に、この表を横(行)方向に見てみる。この場合、各数値ははその部門の生産物がどの部門にどれだけ需要されるか(販売されるか)を表す。例えば、鉱業(7行)では農林水産業に2億円、鉱業に35億円、・・・だけの需要があったことを示している。

投入係数表

ある部門での1単位の生産に必要な財の投入量を表した表。一般に、各数値は産業連関表から

(i行j列要素)=(i産業のj産業への投入係数)
       =(i産業のj産業への投入額)÷(j産業の生産額)

のように計算される。例えば、D6セルは

0.000379(D6セル)=523(生産者価格評価表のD6セル)÷1378652(生産者価格評価表のD46セル)

となる。

逆行列係数表

まず、輸入等を考えない単純なモデルの場合、各部門の生産・需要は

   X=AX+F
X:総生産ベクトル、A:投入係数行列、F:最終需要ベクトル

のように表される。ここで最終需要とは、民間消費や政府支出など各産業で生産に使用される分(中間需要)以外の分である。この式を変形すると

(I−A)X=F
∴X=(I−A)^(-1)F

となる。ここで「(I−A)^(-1)」は「(I−A)」の逆行列を表す。この逆行列を表にしたものが逆行列表である。最後の式は最終需要が決まるとそれに応じて各産業でどれだけの生産が行われるかを表している。つまり、逆行列表は最終需要が増えた場合に生産に与える効果(波及効果)の程度を表したものであると解釈できる。

波及効果分析

ΔFを公共事業の費用(ベクトル)とすると

  ΔX=(I−A)^(-1)ΔF

は公共事業による経済全体での生産の増分となる。例えば、公共工事を行えば建設業界は資材を発注し農林水産業等の生産も増加するなど、各生産部門で生産を誘発する。これが公共工事の「直接効果」である。

また、直接効果により生産が増加するとそれに伴って雇用者所得も増加する。雇用者所得が増加するとその一部は貯蓄に、また一部は消費に回るため、消費需要の増加となる。これが再び生産を誘発する。これを「間接効果」という。

地域連関表

都道府県毎の連関表は各都道府県によって作成されている。ここからもっと小さい地域内の連関表を考える場合、どうするか。

  • 地域ごとに集計可能な産業の生産規模に関する指標を用いて、県の生産額から各地域の生産額を計算する。
    • 例 農林水産業の部門では農業粗生産額や林野面積,漁業経営体数,製造業の部 門では地域別に集計された工業統計表の出荷額等
  • 生産額が地域ごとに配分されたあと,県の投入係数及び付加価値係数をかけて,地域別の部門別投入額と付加価値額を求める。

地域間連関表

2地域間の波及効果を考える場合、地域間の輸出入(「移入」・「移出」と言う)が問題になる。国の産業連関表を作成する際にも輸出入の取り扱いが問題になるが、地域間の関連を分析する際には同様に重要。

地域間交易係数t_i^rs=(地域sにおける地域rからの第i産業の需要額)÷(地域sにおける第i産業の地域内需要総額)
          =地域s内での地域r第i産業のシェア

これを全ての産業に適用。


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Last-modified: 2014-06-29 (日) 15:44:24 (2925d)